2011-01-01から1年間の記事一覧
著者は、政治思想史家の藤田省三。筆者が読んだのは『藤田省三著作集6』(みすず書房)。「『安楽』への全体主義――充実を取戻すべく」「停どまる所を知らないままに、ますます『高度化』する技術の開発を更に促し、そこから産まれる広大な設備体系や完結的…
著者は、社会心理学者のエーリッヒ・フロム。1941年の作品。東京創元社。「本書の主題は、次の点にある。すなわち近代人は、個人に安定をあたえると同時にかれを束縛していた前個人的社会の絆からは自由になったが、個人的自我の実現、すなわち個人の知的な…
著者は、社会哲学者の今村仁司。平成6(1994)年の作品。講談社選書メチエ。「原理をつくり、根拠を立て体系化していくという方法的『企て』が近代の精神構造の特徴であるが、その内部に異物排除的な性格を持つことは気づかれていない。」(p.55)「近代は…
著者は、社会科学者のマックス・ヴェーバー。1919年の作品。筆者が読んだのは岩波文庫版。「近代国家の社会学的な定義は、結局は、国家を含めたすべての政治団体に固有な・特殊の手段、つまり物理的暴力の行使に着目してはじめて可能となる。」(p.9)「もち…
著者は、評論家・翻訳家・劇作家の福田恆存。昭和31(1955)年の作品。筆者が読んだのは新潮文庫版。「なにかの役割を演じること、それが、この現実の人生では許されないのだ。」(p.11)「私たちの社会生活が複雑になればなるほど、私たちは自分で自分の役…